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オーストラリアで釣った魚の写真集です
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究極のバラマンディー管理釣り場                      (ソルトワールド誌vol.47掲載の中から抜粋)

 

          

写真 1
写真 2
写真 3
今回のトピックはあのバカデカバラの聖地------ティナルー湖です。ここはTVの釣りロマンでも特集され、村田基さんが103pを釣り上げたのが放映されて覚えている方もいるかもしれません。

北クイーズランドの内陸部に海岸線に沿うように北から南に向かって山が連なっています。名前をグレートディバイディングレンジ(小学校の社会で勉強しましたよね。)といい、標高600〜1100mで一番高いところで1622m(クイーンズランド最高標高地点)になります。ここら一帯をわれわれテーブルランドと呼んでいまが、ここ特にティナルー湖のあるところをアサートンテーブルランドといいます(話は違いますがなぜか美人が多いんで有名です。モデルになった女性は数知れずなんだそうです! )。ここでは農業が盛んでそのための灌漑用の湖がいたるところにありその1つがティナルー湖なのです。ケアンズからは車で1時間半くらいのところでしょうか。周囲にはキャンピング場、子供の遊び場などの施設が良く整っており週末は家族全員で過ごしている風景が多数見受けられます。
歴史を振り返るとこの湖は1958年に完成しています。そして、前回も紹介した、QDPI(日本で言う経済産業省のようなもの)がここに成長を調査するためにバラマンディーを放流したのは16年前となります。そして、2年間の採取厳禁期間が処され、その封印が解かれ晴れて一般人が釣りが出来るようになったのは14年前だそうです。しかしたったの2年間では何の変化も無いと思われるでしょうが、その間バラの成長は著しく、2年間で稚魚は8sに達したそうです(通常は3年で3〜5s位です)。ちなみに今から2年前に放流した480gのマングローブジャックは昨年12月に再補されそのときはナント9s(!!)だったそうです。この様に成長が早いのは良いのですが、早すぎて初期に入れたバラマンディーが大きくなりすぎ毎年入れる放流魚が食われていく結果となりました。これでは成長過程の調査は続行できないため考え出されたのがティナルー湖一掃作戦です。その名も名付けて " バラバッシュトーナメント "。毎年11月の満月の週の金曜午後5時からスタートし、日曜正午に検量開始となります。ルール無用の何でもアリアリ大会で釣り竿だろうが、鉄パイプだろうが、PEラインだろうが、ワイヤーラインだろうが、はたまたロープだろうが、カニ網だろうがなんでもあり! (1つだけあるイハン行為は投網。クイーズランドでは海水域では投網は良いのですが、淡水域ではご法度です。ニューサウスウェールズでは淡水域でもお縄頂戴。) そして対象魚種もなんでもあり。生きたものなら何でもよくエビ、カニ当然対象魚(?)です(ただし両生類はだめです)。つまりティナルー湖に住む魚類の一掃で以後の放流事業を手助けするのが目的です。いわゆる、目的のためなら手段を選ばないってやつですか。

そしてその日、金曜の午後になると何処からともなくぞろぞろトレーラーでボートを引いた家族ずれやら何やらが集まり始めテントを建て始めキャンピングの準備が始まります。さてトーナメントが始まる時間になると釣りをしたこと無い人はエビ獲りかごを用意したり、真剣組はエサ、ルアーの準備に入ります。
そして、午後5時一斉にスタートフィッシング! 
なんてものは一切無くいつからともなくもうすでに始まっているのが毎年の恒例です。
ここの湖は水深の深いところで20mはあり浅くても3mはあります。木立が立ち並び周囲にはハスが生い茂りいかにもイッソ〜といきたい所ですがこんなに釣れない所はありません(釣りのHPに釣れない記事もどうかと思いますが)。魚たちは14年間も同じ場所に閉じ込められ毎週毎週釣り人にいじめられてきていますからスレスレにスレていても致し方ないといったところでしょう。ところで、湖自体はリザーバーですから流れが無いので釣れる時間帯は早朝、夕刻に限られます。早朝フィッシングを1回とし夕刻も入れて1日2回の釣行とすると、ここでは5回釣行で1匹というのが平均的な釣果です。では何でソンナ釣れない釣りなんてするか? 答えは簡単、釣れるとデカイのです。過去に私自身76cmを釣った事がありますが、皆にゴールドフィッシュ(金魚)と言われました。ここでは最低でも10kg以上ないと話に混ぜてもらえないのです。
ところで、通常一般的にバラの魚体は海水バラで体長1mにて約10kgといわれ、1.2mで約20kgが目安です。しかし、ここの淡水バラは体長1mで15kgになり、上限はわかりません。ちなみに、約38kgのバラの世界記録はここで生まれましたが、体長は1.2mなかったそうです(デブデブバラ)。写真1参照。
この様にティナルー湖で釣りをする理由はデカバラ。これしかないのです。
さて、先ほどの釣り人はというと---------
通常、真剣バラ狙いの人はトローリング、で楽しみ半分の人はキャスティングでどうでもいい人は飲んでいます。エサ釣りの人はいますがこれは湖畔に住んでる地元民でひとり自分の道を行っています。非常に口の堅い連中でエサ釣りでの情報はまったくと言っていいほど入ってきません。トローリングの組は検量まで昼夜を問わず寝ずに流しているようです(これがオージー!)。キャスティングは滅多やたらのメクラ打ちで当たってビックリのセカイです。最終日の検量も日曜正午スタートですが、えんえんと3時4時まで続き、2時に釣れてその後3時に検量に持ち込んでも誰も何も言わないでしょう。のんびりしたものです。検量されるものもバラのみならず、カニとか小さなベイトフィッシュとか何でもあり。家族連れの小さな女の子(4歳くらいか!?)がザリガニを検量台にのせて検量係りが " コリャデカイ! 350g " と言った時は全員盛大な拍手でした。そして、圧巻は2003年大会バラ最大魚。ワタをとって24kg(ワタを取る理由は大会3日間で初日に釣った人の魚が検量日までに腐らないようになんだそうです)。ワタを取る前は27kgだそうです。(写真2参照) 日本みたいに0.01kgで争うなんてことはしません。大体でいいんです大体で。
しかし、このデカバラやはりそう簡単に釣れるもんじゃありません。500人(もちろん真剣組はほんの1部)参加して、バラは30本。それも3日間で。釣れたらラッキーでそうでなきゃ家族でキャンピングや飲んでバーベキューを楽しむというのが大前提なんでしょう。楽しけりゃなんでもいいんです。これがここでのオージー流釣り大会の過ごし方。

ところで、なんでもアリアリのこの大会。今回本当は何が本題かというとデカいバラが釣れるから(もちろんそれもありますが)ではなくて、このQDPIの生態調査の方法、また国を挙げての自然保護(調査)にあります。
オーストラリアでは前回ご紹介した通り、調査のために積極的なタギングを行うべく自ら(政府機関)水に入り行動(捕獲、タギング)します。また、できた湖を利用して調査用稚魚を放流し、その後市民に楽しんでもらいながら魚を駆除(写真3参照)してその上新しい稚魚を放流して引き続き調査を行う。いってみれば釣れる釣れないでなく生態系の管理という意味において完璧な管理釣り場を確立するとともに住民に対しても調査済み資源の還元も図られているわけです。国土の大きさ、住民の理解、自然保護に対する姿勢等いろいろ日本と比較できない事もありますが、ここオーストラリアではいつも思いますけどやることは大胆で大掛かりでスケール(魚も)が違います。

っえ?  ここにデカバラ釣りに行きたいって!?  やめときましょうよ。 釣れませんから。



 
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